60°→120°のメリットと危険性
みなさんこんにちは。
DEARU代表の優喜老師(古川喜章)です。
ここ最近、同じ内容の質問が増えてきたので一度みなさんに共有しておきますね。
ホットパーマの加湿温度の正解は?
最近Hot permの加温時の温度設定を60°で10分してから
一気に120°で完全に乾くまで熱をあてる手法でやっています。
結果は最初はリッジもしっかり出て良かったのですが、
何度か施術をする内に髪の弾力がなくなり、硬くなり、パサツキがひどくなってきました。
今までのdearu式のパーマは柔らかくてリッジが出ていたのですがなぜでしょうか?
どうすれば解決できますか?
結論からお伝えすると
この60°→120°やり方は
『柔らかさと弾力を犠牲にして凝集によってリッジを最大化する』方法です。
良し悪しではなく、正しい間違っているでもなく、
顧客の優先順位とリスクをどれだけ許容できるか?
によって選択をするかしないかを決めたら良いかと思います。
私もごく稀ではありますが、このようなやり方をするときもあります。
なんといってもメリットはリッジの最も強いパーマをかけられます。
注意点!!
ただ!!!
危険度もかなり高く、最悪こうなる可能性もあるため、
マイナス面とパーマの本質をはっきり伝えておきます。
中には120°ではなく140°や160°を使いますという人もいますが理屈は同じです。
温度が高くなればなるほどリッジの効果とマイナス面の効果の両方が高まります。
なぜ髪は硬くなる?
Hot permの後に髪が
・硬くなる原因は、熱変性や熱凝集による影響です。
・ぱさつく原因は、凝集により水分が極端に少なくなっているからです。
水分があることで柔らかくなるのですが、逆に水分がありすぎるとダレる原因となります。
その最たるものがミックスジスルフィドです。
水分は多ければいいというものではなく、コントロールが必要です。
リッジとは何か?
60°→120°を選択する
目的はよりリッジが出るからですよね?
ではリッジとはそもそも何でしょうか?
リッジとは、『しっかりと小さな円で髪が曲がっている』を指します。
弾力や硬さ柔らかさとはまた別の概念です。
リッジを本質的に出すには、SS結合をいかに小さな円で曲げられるか?
それに伴いコルテックスとキューティクルの両方が応力緩和ができているか?
どちらも重要で、どちらか一方ではダメです。
応力緩和とは?
60°で10分というのはおそらく応力緩和が目的だと思うのですが、応力緩和をするからリッジがしっかり出るわけではありません。
応力緩和は歪みを和らげるのが目的です。
そして、応力緩和とランチオニンもまた別物です。
これもよくある質問ですが、
熱変性が原因でHotパーマは乾いた時にリッジがしっかり出ると思っていませんか?
なので高温で処理して熱変性を多く起こせばリッジがあるパーマができると思っていませんか?
だから硬くなるのもリッジを出すためには仕方ない。
つまりリッジ=熱変性=硬いという図式が成り立つのですが、
もちろん熱変性の影響により髪が硬くなることでリッジが出る要素もありますが、ランチオニンの影響も大きいです。
また、熱変性と熱凝集も正確にいえば別のものです。
そしてそのランチオニンも多ければいいというわけではなく、多すぎると逆に弾力は減っていきます。
その他の要素
さらに、
・①式②式の本当の意味
・還元と逆還元、酸凝集への対策
・ストカールとHot系パーマのカール理論の違い
・パーマ時における水素結合と疎水性結合の役割
・ストレートパーマ理論は完全にまた別物です。
もうわかけわからないですよね、、、混乱させてしまいごめんなさい。
思いつくままに色々と書きましたが、
今回の内容は正直かなり難しいと思います。
ただ、なぜ今日これをみなさんにお伝えするかというと、
• 美容師さんたちにパーマで失敗して欲しくない
• パーマをもっと好きになってもらいたい
• どんな髪質、ダメージのお客様が来店されても自信をもってパーマをかけて欲しい
パーマって本当に複雑な要素が絡み合っているけれども、
できる限りシンプルにわかりやすく伝わったら嬉しいなという思いから今この記事を書いています。
DEARU式パーマの特徴
細かい説明は複雑になりすぎるので省きますが、
dearu式パーマがなぜ柔らかいのにリッジが出るのか?
それは
薬剤ダメージと熱による癒着を抑え、水分を適度にコントロールし、
応力緩和とランチオニンを適切にコントロールすることを基本軸に置いているからです。
それをレシピと技法と商品によってマニュアル化、ノウハウ化することで実現しています。
理論と教育だけではなく、
全ての商品に根拠と理由があり、
パーマに関していえば、1剤以外に処理剤とケア剤を組み合わせることで完璧な物ができあがります。
そしてこの価格設定になっています。
台湾で製造したものに比べるとそれは当然コストは高くなりますが、
高くなってもわざわざ日本で製造する明確な理由があるから日本で製造しています。
まとめ
今回の60°→120°のやり方は、
・年に一度しかHotパーマはかけないから傷んでも問題ない
・傷んでも切ればいいからとにかくぐりっぐりにかけたい
など、ダメージよりもリッジを優先する顧客に対しては有効なやり方です。
※乱用することはおすすめしません。
そしてもしやるなら必ず中間水洗後に系統2をつけてからやってくださいね。
系統2を使うことで熱による癒着を抑えることができ、結果として柔さが出やすくなります。
今日省いた細かい説明はマニュアル化してまた違う機会でお伝えしていきますね。
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なぜ我々DEARUは商品だけを販売することをしないのか?
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パーマのことで悩みを持つ他の美容師さんへのシェアもして頂けたら幸いです。
今日も頑張ったねっ
あなたの優しさが誰かの笑顔に繋がっているよ
あなたの笑顔と、あなたの先にいるお客様の笑顔と繋がれることが我々の誇りです
ではまた